* 愛や恋だけではなくて・・・。
ぱっとしない気分の時、 “明るく甘いHappyEnd”を求めてマンガを買うことがあります。 あるいは、夜更かしの友である「ミステリ」に、 気に入ったものが見当たらない時。 いい大人がマンガを買うのも、 どうかと思う人もいるでしょうが。 私は恥ずかしいとは思わないのですが、 非常につまらない物を買ってしまった時、 とても哀しく、落ち込んでしまうことはあります。 時間とお金の無駄遣いだと。 なのに、いろいろな空白をお手軽に埋めようとして、 ついつい、衝動買いをしてしまうのです。 「ピエタ」は、買うまでに随分と迷いました。 「あたり」か「はずれ」かというシンプルなものさしで測れば、 多分、「あたり」だということはわかっていたのですが。 ただ、慢性的な精神疲労に効きそうな “明るく甘いHappyEnd”ではなさそうで。 愛とか恋とかの話ではなく、 心に痛みを抱える少女たちの癒しの物語。 淡々と描かれる悲しみや苦しみ、再生への鼓動。 透明で脆い、少女の時間。 今ではもう、遠い彼方に見え隠れしている少女時代の、 切なさを思い出します。 誰とも分かち合えないと思った悲しみ。 とても小さく思えた自分の存在。 そんな少女も、たくましく成長して、 今は、マンガの中の少女たちに、 「気持ちはわかるけど、それでいいの?」と 少女たちの幸福に現実的な「?」を 投げかけたりしているのです。 そして、 マンガの中の彼女たちのその後を ぜひ知りたいと思うのです。(シィアル) 『ピエタ -pieta-』 著者:榛野なな恵 出版社:集英社(ヤングユー・コミックス)
by wintersavory
| 2005-11-09 22:20
| 本*
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