梔の香の茶

 早くも園芸店に純白の花のついた
 くちなしの鉢植えが並び始めました。
 数ある花の香の中でも梔の香は特に好きなので
 欲しくてたまらないのですが、
 家に去年の鉢があるのでこれから二ヶ月育てて
 梅雨時に花をつけるのを待ちましょう。

 中国茶のお店を教えてもらいました。
 今の時期でしたら冬葉でいいのを仕入れてありますよ
 と薦められながら、何種類もの茶葉の説明書きを眺めます。
 マスカットの香、金木犀の香、蘭の香、
 ふと目が「梔の香」に止まります。
 「雪片玉蘭香単叢」
 冬に収穫した玉蘭の香りのする一株採りの茶
 といったところでしょうか。
 まっすぐで大振りの茶葉です。
 花の香りは高温でないとたたないからと言われ
 熱いよ熱いよ、とうめきながら熱い茶を注がれた
 小さな聞香杯をつまみお猪口みたいな茶杯に移し替えます。
 それから香りを。
 あ。すごい。本当にくちなしの香。
 お茶の葉っぱだけなのに。花は入っていないのに。
 梔は薔薇のようにドライにしたりオイルを採取したり
 出来ないので季節以外には香をかげなかったのに
 お茶のはっぱで梔の香が楽しめるなんて。

 走って横断歩道を渡ろうとして、ふと息がくちなしの香に
 なっている事に気がつきました。
 天人のよう。

(ナルシア/2002)
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# by wintersavory | 2006-05-03 20:40 |