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ミステリでクリスマス

テロは怖いし混むのも嫌だしお金もない、
年末年始どこにも出かけたくない皆様。
しんしんと冷え込む表とは別世界の
暖かいお部屋で部屋着を着て紅茶かウィスキー、
お馴染みキャラの活躍するミステリを手に
ぬくぬくと過ごしましょうか。

現代英国本格ミステリを担うシリーズ名探偵達は
どういう訳かデブで下品で横柄で
協調性皆無で人使いの荒いという
上司には絶対持ちたくない典型的オヤジ警官ばっかりです。
唯一女性作家(P・D・ジェイムズ)描く
ダルグリッシュ警視だけがドリーム入ってる?
英国男性ミステリ作家ってみんな
スリムで上品で優しいハンサムに
怨みでもあるのでしょうか。

しかしまあこのオヤジ達、皆
ユーモア精神にあふれていて
秘かに人情に厚く、自分なりに仕事熱心で
なによりみかけによらず頭が切れる。
そういえばアメリカの刑事と違って
彼らは銃を持ってないんですよね。
組織にも頼らない質だから
狡猾な犯人と渡り合うには
自分の頭脳一つが頼りです。

主人公の個性はもとより、いずれのシリーズも
不可思議な事件の謎や舞台となる街のそれぞれの趣きが
文学的にも観光的にも楽しめます。
では、英国が誇る四人の『オヤジ刑事』を御紹介しましょう。


[ 主人公名 / 役職 / 所属 / 舞台 / 相棒 / *作者名 / 出版社 ]

□ E・モース / 主任警部 / テムズ・バレイ警察 /
オックスフォード / ルイス部長刑事 /
*コリン・デクスター / ハヤカワ文庫

□ ピーター・ダイヤモンド / 警視 / エイヴォン・アンド・
サマセット警察 / バース / ジュリー・ハーグリーヴズ警部 /
*ピーター・ラヴゼイ / ハヤカワ文庫

□ アンドルー・ダルジール / 警視 / 中部ヨークシャー警察 /
ピーター・パスコー警部 /
*レジナルド・ヒル / ハヤカワ文庫

□ ジャック・フロスト / 警部 / デントン警察 / --- /
*R・D・ウィングフィールド / 創元推理文庫

(ナルシア/2001)
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by wintersavory | 2005-12-17 10:36 | 本*

カメリア

今年はツバキとサザンカの当たり年なのでしょうか。

裏のお宅の乙女椿がまるで八重桜のように
樹全体がぽってりとピンク色になり、
お隣の山茶花の垣根は緑にきれいな赤が半分混じって
補助輪つき自転車を買って貰った隣の隣のおうちの女の子が
「きれー、きれー!」と大喜びしながら
垣根に沿って走っています。
真っ白い雪の積ったような樹があると思ったら
大輪の白椿、絞りの椿。
ひっそりと俯く侘助、
凍る地面を彩る花弁。
普段は暗い緑の葉が鬱陶しいくらいの椿の木ですが、
これほど花が咲いているのを見ると家にも欲しくなります。

あらためて見るとピンクの乙女椿の花は
綺麗な形をしていますね。
昔流行りだったのか、
カメリアのコサージュをいくつも持っていました。
ピンク、白、青、緑、コットン、オーガンジー、サテン、
端正にまとまったシンプルな人造の花です。


なぜか1958年に録音された「LA TRAVIATA(椿姫)」の
CDが家にあります。
聴衆のざわめきや咳が残る中で、
録音状態の良くない合唱が始まります。
そこに弾けるようにのびやかなヴィオレッタの歌声、
四半世紀前に世を去った伝説の歌姫
マリア・カラスの遺した声です。

Ah! Ma io ritorno a vivere
ああ、私はまた生きるのね──

椿の花束なんて縁起でもないし
ぱっとしないと思っていましたが、
白い椿の花束を幸い薄い椿姫に捧げましょう。


そんな訳でいきなりカメリアがマイブームになったのですが、
見慣れた古めかしいイメージためか
「椿」の美に賛同してくれる人が周囲にあんまりいません。
ところが先日、日本版が創刊されたマーサ・スチュワートの
リビング雑誌を書店でぱらぱら眺めていたら
ほら!カメリア特集やってる!
そうでしょ、そうでしょ。
冷たい風の中のあでやかな花、
あらためて見ると薔薇にも劣らぬ華麗さですよね。(2001/ナルシア)
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by wintersavory | 2005-12-08 20:19 |