カテゴリ:秋( 12 )

晩秋の海月

お天気がいいのでドライブの途中
山並に隠された小さな九十九折りを巡って
小さな漁港に降りました。

絶壁を白い野地菊と黄色いつわ蕗の花が覆って
告別式の祭壇のようです。
小さな白い漁船を係留した漁港は
街から遠くないのに山が隔てているので
とても水が綺麗です。
というよりこれまで港は数々見ましたが、
水がこれほど澄み切って
底まで見えている漁港なんて初めてです。
透き通った緑の水の中にいろんな形の
透き通った白い海月(クラゲ)がいます。

停泊している漁船の作る影で
碧緑のネオンのような光を明滅させている
やや大きい海月がいます。
昼間の水面で泳いでいるクラゲの発光を見たのも初めて。
もっと光ってみせてくれればいいのに
発光海月は明るい陽の射す水のほうに漂い出て
淡いネオン光は見えなくなってしまいました。

水色の空にクラゲのようにたよりなく白い
海月ではなく本物の月が浮かんでいます。(ナルシア/2001)
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by wintersavory | 2005-11-23 12:15 |

コーリング・LONDON

いまごろの季節になると、
無性にロンドンがなつかしく思えます。
ちょっと透明な風や薄くなった空気に、こころが
反応してつかまってしまうように。

住んだわけでもない、
ただ何度か旅をしただけなのに。
いえ、初めての旅から帰って以来、ずっとなのです。

あの空気。
街のにおい。
ただそれだけが。

言葉もとうてい満足に話せない、
何があったわけではないけれど、
このなつかしさは理屈ではないようなのです。

ある年はその誘惑に負けて、数年ぶりに
ぱーっと飛び立ち、秋深いLONDONへ行ってしまいました。

夏とはちがって、普段の顔のロンドンって
こんななんだなぁと思いました。

ロンドンのカフェばかりを集めた
おしゃれな写真集を見ていると、
こういうお店には、行ったことがないのよね、と
ためいきが出ます。

わたしたちがドアをくぐれるのは、
親しみやすいイタリアンレストランだったり、
スーパーマーケットやテイクアウトのお店だったり。
夕食のほとんどは、ホテルの部屋で持ち帰ったものを
それなりに楽しく食べる程度です。
観劇で遅くなっても、まっすぐホテルへ帰ります。
お酒が苦手なのもあって、夜の街にくりだそう、
なんてこともまずないし、そんなことを言い出すと、
何がたのしくて行くんだろうと思われそう。

地球のうらがわに、
そんな街があるっていうのも、いいものです。(マーズ)
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by wintersavory | 2005-11-07 22:17 |

窓ガラスをみがいて。

「とりあえず、窓ガラスさえピカピカにみがいていれば、
店も家も、きれいに見えるもんだ。」

所用でたずねた木工家具を作る会社の方が、おっしゃっていた
ので、なるほどなあと思い、さっそくみがいてみようと決意
だけして、まだみがいていません。つづいた台風のおかげで、
うちの窓はどこも、白っぽく土がこびりついています。

ただ、その日はさすがに、家に帰ると、たまりにたまっていた
隣室の不要品をまとめて部屋から出し、だいぶ床がすっきり
しました。まっすぐ歩ける通路がないほど、ごちゃごちゃだっ
たのです。こんな風に物をためてそのままにしていると、本当
に身体にもよくないなあ、とつくづく思いました。たださえ猫
二匹と暮らしているわけで、物を雑に積んでおくと、すぐ毛が
たまってしまいます。白いのと、黄土色のと。時にはヒゲも
落ちていたり(これはどちらのかわからない)。

その方は初老の男性ですが、得意先のお家へ行っても、まず
掃除に数時間かけることがあるほどの清潔好き。片づけをしな
い女性客が数人いるらしく、なげくことしきりでした。なかに
は病気になった方もいて、原因についてはおっしゃらなかった
けど、家の不潔さと関係があるのでは、という含みがありそう。

もうひとつおっしゃっていたのは、何かプランを立てて、自分
の意見を通したいと思ったら、チャチを入れられないくらいに、
きっちりと図面を引けばいい、ということでした。そのためには
労力もかかるし、時間がなければ夜も眠れないけれど、それだけ
の価値はあるということでしょうね。わが身におきかえても、
納得する姿勢です。

人が一生懸命作った完成度の高いものに対しては、よほどのこと
がない限り、他の人たちも、受け入れざるを得ないでしょう。
逆に、いいかげんなプランだったら、縦横無尽に横ヤリが入る。
私利私欲を追求しただけのものは、なおさら批判されます。
曲がった道は好きだけど、穴だらけの道は、ちょっと歩きにくい。
曲がった道の景色を楽しむには、道そのものがきれいに平らでな
いと、こわくてよそ見などできませんね。

そのうえで、遊びごころを忘れなければ、なおいいということで。
(マーズ)
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by wintersavory | 2005-11-05 20:49 |

ひとりだけ紅茶

どこかのお店や事務所なんかで、
何人かが集まったとき、
他の人が全員コーヒーなのに、一人だけ紅茶を
頼んでしまうことって、ありませんか?

あまり打ち解けてない間柄のときは、
ムリしてコーヒーにするのですが、
アメリカンがない場合は、ちょっとつらいときも。
それでも最近は運転の眠気覚ましにコーヒーを飲むことも
ときどきは、ありますけど。

紅茶にしてください、と言えるようになるのは、
その人たちと打ち解けられた証拠でもあります。
ときには何年も。

何も言わなくても、
ひとりだけ紅茶をいれてもらえるようになったら、
自分の居場所ができたようで、うれしく感じる。
それはわがままではあるけれど、
胃の弱っているときなど苦痛なだけのコーヒーを
ムリに半分ほど飲んで残すよりは、
言ったほうがいいのだと思っています。

そんな少数派も、ずいぶん肩身が広くなりました。
世のなかに紅茶好きが増えるにつれて、
ガマンする回数が減ってゆきます。

先日も、旅先でお客様をもてなした10人くらいの昼食の席。
食後の飲みものを注文したら、私だけ紅茶でした。
でもたぶん、誰も気にしなかったと思います。
そして、私が紅茶党なのだとはっきりわかっても、
困らない人たちなのです。

これから秋が深まるにつれて、
おいしい紅茶をはさんで、何度、誰かと一緒に
ひとときを過ごせるでしょうか。(マーズ)
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by wintersavory | 2005-11-05 19:54 |

イタリアンミネストローネ

といっても、日本にもある外国メーカー製のインスタントです。
ただし、このスープは日本では売ってません。っていうか、
日本のインスタントスープって種類少ないです。

つくり方は超簡単。お湯で5分煮込むだけ。
ロンドンのスーパー、テスコかどこかで昨年買って帰って、
あまりだいじにとっておきすぎて、気が付いたら賞味期限を
半年も過ぎていました。しまったしまった。

でも、おいしかったです。

どんなふうにちがうのかというと、一番は具の種類の多さ。
なんかね、ゆたかな気持になってくるんですよ。

この「イタリアンミネストローネ」には、
マカロニ(ペンネを半分に切ったくらいの)、にんじん、
ベーコン、白いのと茶色と緑のビーンズ、もちろんトマト、
薄く切ったじゃがいも。
ドライバジル、ローズマリーやターメリックなどの香りも。

スープの味は思ったより薄くて、ちょうどいい感じなのです。
まあ、濃くても水を増やして薄めればグッドなのですが。

こういうの、避難したときなんかに、
あるとうれしいです。
あったかくて、簡単に作れて、満足できるって、
大事なことですよね。

ああ、ミネストローネの「おいしい」インスタント、
日本でもご近所のスーパーにあるといいな。(マーズ)
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by wintersavory | 2005-11-01 21:57 |

ハロウィーン・パーティ

10月31日は、ハロウィーンです。
私たちがハロウィーンのパーティをしたのは、
もうずいぶん前のことになってしまいました。
パーティといっても、
いつものこの3人が集まっただけなのですが。
その当時はまだ、
インターネットなんて、想像もつかなくて、
それでも何か、新しいことをしたい、
そういう好奇心が当時まだポピュラーとはいえなかった
「ハロウィーン」をやろうと思ったのかもしれません。

私は、紅茶ケーキを焼いて、
その上にアイシングで、下手な蜘蛛の巣を描いて
「ハロウィーン」ケーキに仕立てて持っていきました。
かぼちゃランタンやこうもり、
魔女の人形(ひとがた)など
ナルシアがさまざまな趣向を凝らした
飾り付けや料理で迎えてくれて、
お楽しみに満ちた特別ににぎやかな一晩でした。

で、ハロウィーンのパーティというと、
思い出す映画が、「キャスパー」
ハロウィーンそのものがテーマの映画ではありませんが、
映画のクライマックスはハロウィーンのパーティです。

映画版キャスパーは
「アダムス・ファミリー」の、
あるいは、「スリーピー・ホロウ」の、
クリスティーナ・リッチと
かわいい子供のお化けキャスパーのお話です。

まだまだ、子役時代のC・リッチ。
(最近は、たとえば、「チャーリーズ・エンジェル」など
すっかりセクシーな大人になっていますが。)
こうやって、彼女の出演映画をあげてみると、
「アダムス・ファミリー」も
「スリーピー・ホロウ」も、
ハロウィーンを楽しむことのできる映画です。
彼女こそ、ハロウィーン推奨映画、最多出演女優かもしれません。

ちょっと過労気味のようなので、
仕事の合間、
せめてビデオでハロウィーン・パーティを
楽しもうと思っています。
ちょっと、地味すぎる?
(シィアル / 011029)
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by wintersavory | 2005-10-31 22:00 |

シンプル・ラグ

何ヶ月か前。
どうして部屋がごちゃごちゃしているのか考えていたら、
やはり、こみいったイスラム風模様のカーペットに原因が。
というか、少なくてもひとつの原因は、
床にあるような気がしてきました。

雰囲気を変えるなら、シンプルなラグ?

前から記憶にメモしていたショッピングモールの雑貨店で、
いろんなラグをためつすがめつ。
漠然と、濃い茶色とか濃い緑とか、
シンプルでダークトーンのものをと考えていたのですが、
目当ての色はちょっと毛足が真冬だったり、
寸法がちがったりで、結局、生成りの四辺を色の帯で囲むタイプの、
薄い色から選ぶことになりました。

なりゆきとはいえ、開店1分前から並んでしまった
意気込みはどこへやら、
どれを選べばいいのか、定まりません。

うーん。こまった。
出直す?そんな。でも決まらないじゃない。
今日こそ、決めなくてどうするの。
内心では私と誰かがせめぎ合っていて、だんだん、
でも確実に疲れも出はじめました。

ええっと、部屋のカーテンと、机にかけている布が
明るいライトブルーだから。

そうすると、壁のうぐいす色のことはさておき。
この壁はどうせ何をもってきても合わないんですから、
無視しましょう。
とすると。生成りの四辺の色は、落ち着いたこのブルーあたりが
いいのではないですか?ご主人さま。
こちらなんか、お値段だって、手ごろではないですか。

そうね。それがいいかもしれないわ。
きっとそう。だれだか知らないけれど名案じゃない?

それにほら、私が欲しがっていた麻混じりの綿なのも好都合。
おまじないかもしれないけど、麻は虫よけになるって、だれかが。
一年中使えるよね。だいじょうぶよね。ね。
それにしても、なんて重いのかしら。

♯♪♪(レジスターの歌)

さぁ、ラグは用意できました。
ラグを選ぶ時間がこんなに苦しいとは、意外でした。
あとは、この上に乗せるベッド探しです。
いごこちよく暮らすのは、いろいろたいへん。 (マーズ / 2001)
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by wintersavory | 2005-09-06 08:51 |

ラプサンはいかが?

-香りは、思い出を呼び起こします。

紅茶を飲んでいて、その香りにふっと、
長いこと忘れていたあれこれを
思い出すともなく、
思い出してしまうことがあります。
それはどうでもいいようなささやかなことであったり、
時には忘れたままでいたかったようなことだったり、
呼び覚まされる記憶はいろいろで
いいことばかりとは限りませんが。

中には、
瞬時に思い出し、
あっと思った瞬間に消えていってしまう、
刹那の想い。
そんな思いもあります。

あの頃。
同じカップで、同じ香りの紅茶を飲みながらも、
いつも不安で、頼りない思いに揺れていた。
「時が解決する」
そういう月並みな言葉が信じられなかった若さ。
紅茶を味わいながら、ついつい心の襞をなぞっています。

特に。
私にとって、「ラプサンスーチョン」は、
忘れられない特別なお茶。
悲しいときも、楽しいときも、
いつも、よく飲んでいるお茶。

このお茶を知ったのはもう、随分前のことです。
香りに癖があり、香りと言うよりは、匂いの強いお茶です。
この匂いを、スモーキーととるか、変な匂いととるか、
そこが好みの分かれ目です。

「好き嫌いがあるから、お口にあうかどうか・・・」
初めて勧められ飲んだ時は、
まさかこんなに好きになるとは思いませんでした。
おおよそ、今まで飲んできたフルーティで爽やかなお茶とは大違い。
何だか、古びた匂いだなあと、違和感を覚えたことでした。

けれどいつのまにか、
その個性的な匂いは私の細胞にまで染み込んでいて、
今では、ラプサンは一番のお気に入りになっていました。
特に、濃いめに淹れて、ミルクティにするのが大好きです。
とても癖のあるお茶ですが、好きになると、
やみつきなってしまう、いろんな意味で強烈なお茶です。

紅茶の中でも特にこのお茶は、
その強烈な香りが刺激となるのか、
特に、いろいろな思い出をよみがえらせてくれるます。 (シィアル / 2001)
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by wintersavory | 2005-09-05 22:47 |

ミニガラコンサート?

気に入ったスタンドライトが買えなかったので
100円ショップですり硝子でできたキャンドルスタンドと
ティーキャンドルを沢山買い込んできました。
コップ型のキャンドルスタンドに
銅色の柔らかいアルミワイヤーを巻き付けて
ハンギングバスケットやら木の枝やらにいっぱい吊るして
ゆらゆら揺らめく灯に囲まれて庭でカクテルを飲んでいます。

周囲は秋の虫の声で満ちあふれ、
虫と競わせる様にオペラセレクションのCDをかけて
芝生でミニガラコンサート開催。
オープニングはもちろん椿姫「乾杯の歌」、
天に星、地に花、周囲は蝋燭の灯に照らされた紅の闇の帳、
酔っぱらってきたのか緑の茂った小さな庭が
篝火を灯したお城の中庭みたいに思えてきます。
昼間の暑さが嘘の様に涼しくなって来たので
部屋からわざわざ滅多に使った事のない
ストール取って来て羽織ったりして。
ついでに新しい氷とジュースとリキュールも。

最後の曲はトゥーランドット「誰も寝てはならぬ」
ええ、ええ、勿論眠ってなんかおりません、
ちょっと目を閉じて聞き入っていただけですよ。
輝かしいテノールと最高級のバックコーラス、
夜を包む虫の声に。 (ナルシア / 2001)
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by wintersavory | 2005-09-05 22:44 |

空のうえから。

夏のお休みをとって、都会へ出かけました。
そして、観覧車に乗りました。
2回、空のうえにあがったのです。

港のそばの観覧車は、ブースも大きくて、
5人で乗ってもゆったりしています。
対岸に見えるテーマパークを想像しながら、
明日はあそこに行くんだね、とにぎやかな一行。

いえ、にぎやかなのは、本当は、こわがる顔を
写真に撮っていたからでしたっけ。

頂上近くにきたとき、ひとりが、席を移ろうとしました。

ぐらっ。

その大きなひと揺れに、全員が青くなってしまって、
そのあとは、おもしろがってムンクの叫びみたいな
顔を撮りっこしていたというわけです。
そういえば、本物のムンクの叫び、8月に美術館から
強奪されてしまったんですね。何点か同じタイトルの絵が
あるそうですが、また出てくることを祈ります。

この観覧車は、乗る前に写真を撮ってくれて、
下りるとき、気に入ったら買うというシステムです。
ミレニアムのとき、ロンドンのテームズ河沿いにできていた
ロンドン・アイも、英国航空がやっていたせいか、
凝った趣向で写真を撮ってました。
ただ、その後、過激派に乗っ取られてしまったことが
ありましたが、とても気になったのは、彼ら犯人も、最初、
並んで写真を撮ったのだろうか、ということでした。


さて、翌々日は、短い旅の最終日。
もういちど、観覧車に乗ろう。こんどは、街のまんなかの、
ビルのうえの観覧車がいいね。
ということで、えらく空いている観覧車に乗り込みました。
これ、前から一度乗ってみたかったのよ。これは揺れないね。

高い高い。思った以上です。

考えてみれば、もともと高いビルの上に設置されているのだから
ピークに来れば、相当な高さ。飛行機並の視界です。
最初の観覧車よりも、ブースが小さいから、逆に心もとなく
感じてしまうほど、ゆっくりと動いてゆくうちに、
ふと、眼下に不思議なものを見つけました。

大きな都会の、大きな駅から100メートルも離れてないところに、
土の見えるテニスコートがあるのです。
周囲は木で囲まれ、ちょっとした緑の避難所のよう。
どうしてそこにだけ、そんな空間が残っているのか、
一介の観光客にはわからないけれど、
たぶん、その駅を長年利用していたとしても、
そんな場所のあることには気付かないでしょう。

高いところにあがるのって、やっぱりおもしろい。 (マーズ / 2004)
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by wintersavory | 2005-09-04 20:06 |