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ちょっと郊外にはずれると、景色が変わっています。
いまは、田植えの季節。 ちょっとした田んぼがあれば、どこでもうっすらと水を引いて、 細い苗がもう植わっていたり、植えられるのを 今日か明日かと待っていたり。 10cmほどの深さにもかかわらず、まるで広大な水辺が 出現したような感覚で、いつもとちがう雰囲気を 味わっていられるのでした。 特に夜は。 花を育てているビニールハウスの灯り。 幻想的なピンクやブルー、白い灯が、ハウスをとりまく暗い水面に ゆらゆら映って、 まるでまるで、 にぎやかな一団がパーティーを楽しむ遊覧船のようです。 そう、ミシシッピー河の岸辺をゆく船。 ゆらゆら、ゆらゆら。 コンビニエンスストアの明るい電気看板も、 信号機の点滅も、きっと星のかがやきまでも、 夜の水辺をいろどっているのでしょう。 畑のなかにぽつんとある鎮守の杜の、 その前がゆらゆら揺れる常夜灯を映した池になっています。 蛙の声がいっせいに鳴き交わし、山の辺に 満月がのぼる頃。 ここはいっときの夢のなかで、 バリの島に変わっているのでした。 (マーズ/2002)
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